近い未来にありえそうな宇宙開発SF作品『プラネテス』漫画もアニメも名言だらけ【書籍紹介】

星に関する作品
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民間宇宙船が運航するようになり、宇宙開発が進んでいることを感じるニュースが増えてきていますよね。
今回は近未来の宇宙開発をテーマにしたSF作品の名作『プラネテス』をご紹介します。

『プラネテス』では、ちょっと先の未来に起こりえる、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の社会問題を扱っています。
もしかしたらこんな未来が本当にあるかもしれないなと思えてしまう貧困と宇宙開発が課題となっている世界観にも引き込まれます。名言も多く、そのメッセージに心うたれます。

そんな『プラネテス』の魅力をお伝えしますね☆


『プラネテス』の概要

『プラネテス』は幸村誠が描いた漫画です。アニメ化もされており、監督は『コードギアス』などの谷口悟朗が務めています。
宇宙開発が進んだ近未来が舞台です。宇宙に漂うゴミ「スペースデブリ」回収
業者として働く主人公の星野八郎太(ほしのはちろうた 通称:ハチマキ)が夢を実現するために立ちはだかった、さまざまな試練や障害を仲間たちの助けられながら乗り越えていく物語です。

アニメ版は漫画の世界観をベースにしていて、登場人物もほぼ同じではあるのですが、漫画で描かれたことをそのままアニメにしているのではなく、再構成された別の作品になっています。
漫画ファンからすると、なんでこんなに違うのか!!と思うかもしれません。詳細は後述しますが、伝えたいテーマやメッセージが同じであるため、流れは違うものの感動するポイントが一緒なのが面白いのです。

漫画の『プラネテス』

講談社の漫画雑誌「モーニング」にて1999年から2004年まで不定期連載された漫画作品です。
全4巻が単行本として発売されています。
2002年には優秀なSF作品に贈られる賞である星雲賞コミック部門賞を受賞しています。

『プラネテス』の意味

プラネテスは古代ギリシャ語で「惑い人」という意味があり、単行本の表紙にも古代ギリシア語「ΠΛΑΝΗΤΕΣ」と書かれています。
そして英語で惑星を表す「planet」の語源でもあります。

漫画『プラネテス』のあらすじ(ネタバレ注意!)

2070年代、人類は宇宙開発を進め、月面にまで居住を広げていた。前世紀から続く大気汚染の問題は未解決のままで、先進各国は成層圏の外側に目を向けることで問題を先延ばしにしていて、貧困による格差は大きくなり、それに不満を持つものによるテロ活動も活発に行われています。

主人公の星野八郎太(通称ハチマキ)は、「自分の宇宙船を買う」という小さい頃からの夢を持っていました。しかし、現実はしがないデブリ(宇宙廃棄物)回収船乗りであり、夢と現実の狭間でこのままでよいのかと思い悩んでいました。

木星往還船計画始動の報せにハチマキは乗組員に志願することを決意します。「独りで生きて独りで死ぬ。それが完成された船乗りだ」と盲目に夢に突き進もうとする彼に、デブリ回収船の後輩である田名部愛(通称タナベ)は「独りで生きて、死んで、なんで満足できるんですか。バカみたい」と言い放ちます。

木星往還船搭乗員試験に合格したハチマキは、自分を駆り立てる熱を失ってしまったまま、デブリ回収船を離れ、訓練に入ります。しかし、宇宙空間での事故を境にハチマキは心に深い傷を負ってしまい「空間喪失症」を患ってしまいます。なんとか克服するものの、目的のためなら手段を選ばない非情さを見せるようになります。そんなハチマキのすさんだ心に温もりを取り戻させたのは、「愛(博愛)こそが全てを救う」という信念を持つタナベでした。

木星往還船「フォン・ブラウン号」に乗ることになったハチマキ。木星へ到着を果たした時、彼はラジオで仲間に向けてメッセージを送ります・・・

漫画『プラネテス』の名言&名シーン(ネタバレ注意!)

漫画の各巻から1つずつ名言&名シーンをご紹介します。

「Please save Yuri.」(1巻より)

ハチマキの同僚のデブリ屋であるユーリ・ミハイロコフは、航空機とデブリが衝突した「高高度旅客機事故」で妻を亡くしていました。彼がデブリ屋をやっているのは妻の遺品であるコンパスを探すためでした。そして、デブリ回収中に、偶然にも妻の形見のコンパスを見つけたのです。
彼の妻が生前見せようとしなかったコンパス。その蓋の内側に彫られていた文字が

「Please save on Yuri.(ユーリを守って)」

愛をテーマにするこの作品の導入となる胸をうたれるお話です。

「必ず生きて帰ってくることよ」(2巻より)

ハチマキはデブリ屋として働く現状に不満を感じるようになり、夢(自分の宇宙船を持つ)を追い求めるあまりに独りでのし上がろうと必死になります。後輩の指導もろくにせず、テロで人が死んでも痛みを感じない、冷徹な宇宙船員(ふなのり)たらんとします。
そんな折に、木星往還船の訓練中に同僚と事故に巻き込まれ、ハチマキの同僚が木星往還船のメンバーから外されてしまいます。

実家に帰ってきたハチマキ。専業主婦の母は、優秀な宇宙船乗りである父の帰りを地球(日本)の自宅で待っています。落ち込んだ様子のハチマキを見て、「そこまで悲観するような事なのかしらね」という発言をします。「宇宙船員(ふなのり)でなけりゃわからねーよ」というハチマキに対して、彼女の思ういい宇宙船員の条件として告げたのがこの言葉でした。

待っている女房にとっては、たしかに大切なことですよね。

「結婚しよう」(3巻より)

なんで急にプロポーズの言葉なのよ!!って思ったかもしれませんが、プラネテスファンにとってはとっても感動する名シーンなのです。

もちろん主人公のハチマキがタナベに対して言うセリフ。2人きりの宇宙空間で、しりとりの最中にさりげなく「結婚しよう」といい、それに対して「うん」と答えるのです。
さまざまな苦悩を乗り越えて、愛することの大切さに気付いたハチマキが言うからこそ非常に感慨深いのです。

「神が愛だと言うのなら 我々は神になるべきだ さもなくば・・・我々人間は これから先も永久に・・・真の愛を知らないままだ」(4巻より)

木星往還船開発計画の責任者であるウェルナー・ロックスミスが、元科学者の恩師に語った言葉。

ロックスミスはエンジン開発中の事故によって多くの技術者を失いました。宇宙船しか愛していない彼は動揺することなどなく、計画の成功だけを目指し続けていたため、周囲は冷酷な男だという印象を持っています。

実は彼は「愛」についての揺るがぬ信念を持っていたのです。

アニメの『プラネテス』

アニメ版は2003年10月4日から2004年4月17日にNHK BSにて全26話放送されていました。
原作と世界観や主要人物は同じなのですが、後述する通り、ハチマキが働くデブリ屋の設定やタナベの登場などが異なる部分も多く、漫画では少ししか出てきていなかったキャラクターにもっと踏み込んだオリジナルのエピソードやキャラクターもあり、コミックとは並行世界のような違った作品として楽しむことができます。
2005年には原作と同じく、星雲賞のメディア部門を受賞しています。

アニメ『プラネテス』のあらすじ

時は西暦
2075年。人類は宇宙開発を推し進め、巨大な宇宙ステーションや月面都市を建設するまでになっている。地球、ステーション、月面の間には旅客機や貨物機が行き交うようになり、人々にとって宇宙は、遠い世界ではなく日常の世界になりつつある。

この時代、大きな問題となっているのは、宇宙開発にともなって発生するゴミ(デブリ)。使われなくなった人工衛星、ステーション建造時に出た廃棄物などのデブリは、地球周回軌道上を高速でまわっている。2068年に起きた高々度旅客機アルナイル8型とデブリの衝突事故は、多くの死傷者を出す惨事となり、デブリ問題が注目されるきっかけとなった。
主人公・星野八郎太(ハチマキ)は、宇宙産業の大手・テクノーラ社の社員。デブリ回収船トイボックスに乗り込み、仲間のフィーやユーリとともにデブリ回収の任にあたっている。ハチマキを中心に、新入社員タナベの登場、宇宙開発に反対するテロ組織「宇宙防衛戦線」の暗躍、木星往還船フォン・ブラウン号の建造など、様々なドラマが描かれてゆく。

NHKより引用

『プラネテス』漫画とアニメの違い

テクノーラ社

漫画では、ハチマキたちが着用する制服に書かれているロゴや会話に数回出てきていただけの「テクノーラ」という宇宙企業。
アニメ版では旅客・貨物輸送や、宇宙開発・各種産業を扱う大企業であり、デブリ回収はテクノーラの1事業として位置づけられ「デブリ課」として扱われています。
しかし、赤字部門なうえ、安月給で評価も低く、テクノーラ社のデブリ課は半人前などの意味を込めた「半課」と呼ばれています。

タナベの扱い

漫画では2巻から登場した田名部愛。
アニメでは第1話から準主役として登場し、ハチマキとの恋愛も詳しく描写されています。
漫画では描かれていたタナベの出生の話は全く触れられることはなく、ハチマキの後輩の新人宇宙飛行士として活躍します。そのためか、漫画のタナベよりも幼さを感じる人格となっています。

オリジナルキャラクター

先に紹介した通り、デブリ回収船はテクノーラ社の1課であるデブリ課という扱いとなっており、テクノーラ社の社員たちがオリジナルキャラクターとして登場します。
デブリ課の課長やその部下であるハチマキの同僚たちや、別の課のメンバーたちが話をさらに盛り上げてくれています。

漫画とは異なる結末

設定が違うのでストーリーも大筋は漫画をなぞってはいるのですが、違ったテイストで描かれていたり、オリジナルストーリーが挟まれていたりします。
そして、もちろん結末も漫画とはちがった描かれ方をしています。
特に漫画よりも幼さや迷いが見られたタナベは、様々な人との出会いや出来事を通じて成長するさまが感じられました。ラストでは新人社員のアイちゃんとは異なった大人な女性らしさがうかがえました。

アニメ『プラネテス』の名言&名シーン(ネタバレ注意!)

アニメのオリジナルエピソードから2つ名言をご紹介します。

「ここからは、国境線なんて見えないのに。」(Phase11 バウンダリー・ライン)

アニメ版のオリジナルのキャラクターであるテマラ・ポワチエは、経済封鎖と内紛に荒れた中米の小国・エルタニカの科学者。国を豊かにするために、仲間たちと宇宙服を開発し、テクノーラ社に売り込みにきます。小国エルタニカからやってきた彼はなかなか相手にしてもらえませんでしたが、ハチマキたちの協力によって、宇宙服の試験を進めていました。

しかし、試験終了間近というところで、連合の治安維持軍の侵攻によって情勢の変わったエルタニカ国民であるテマラの身柄を、軌道保安庁が保護しにやってきたのです。ハチマキたちの機転によって、どうにか試験を全て終わらせ、宇宙服は無事に国際規格をクリアすることに成功します。

テマラは自分の身柄を引き渡すことを決意し、最後に1分だけ宇宙から地球を見させてほしいと頼みます。

「どうして、どうしてなんでしょう。ここからは、国境線なんて見えないのに。ただ、地球があるだけなのに」

テマラが言うからこそ、胸をうつ名言ですね。

「おじさんの国は地球のどこにあるの? ここから見える?」(Phase26 そして巡りあう日々)

月生まれ月育ちの「ルナリアン」の少女であるノノ。地球の重力に耐えられない身体のノノは地球に行くことができません。
彼女は宇宙防衛戦線のメンバーの1人であるハキムと月面都市を抜け出したときに出会います。貧国に生まれたハキムは、宇宙資源を独占する先進国を憎み、その在り方を正すべきだとテロ活動をしていました。そんな活動家だったハキムでしたが、すっかり落ちぶれた様子となり、やけになってノノに銃口を向けようとします。

ルナリアンであるノノは、「国」という概念に実感が湧かぬまま、この台詞をハキムに投げかけるのです。
ハキムはその言葉を聞いて、自分がいかに「国」というものに縛られていたのかに気付かされます。

『プラネテス』を観るには

すぐに読むなら電子書籍で

『プラネテス』コミックスは全4巻。
全巻eBookJapanで試し読みができます。ぜひ読んでみてくださいね。
『プラネテス』1巻試し読みはこちら

どうしても書籍として手に入れたいという方はAmazonや楽天ブックスで探してみてくださいね。

アニメは配信サイトで

アニメはU-NEXTで全話視聴できます。無料お試し期間が31日間ありますので、その間に全話観てしまうことも可能ですよ(笑)
『プラネテス』を見るならこちら!

まとめ

『プラネテス』は、原作漫画もアニメもどちらが良いなどと甲乙つけがたい名作です。時には涙してしまうような名場面が多い作品ですので、これだけでは魅力を伝えきれていないと思います。
今回ご紹介した内容だけでなく、魅力的なキャラクターたちの素晴らしい名言が数多くあります。まだみていない方は、ぜひ『プラネテス』をご覧になって見てくださいね。そして、みたことあるかたはこれを機会にみなおして、名言の数々をかみしめてください!

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